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死んでしまった人と会った話。

酔って逆立ちをしたら地面が空に見え…ずに重力と自分の体重をとても感じた。

 

暖かな日差しを浴びます。ややくそでかい吐き出し窓に面したソファーに腰掛けだらけ、カーテンと窓を全開にしてきらきら宙に舞う小さなほこりをつかもうと試みましたが指を動かすだけで素早くどこかへ逃げてしまって見えなくなります。見えるけれどつかめない程小さく、そもそも強い光が無いと見る事も出来ないけれども部屋の中には常に存在する出来すぎだ存在に幸せと言う名前を挙げてもいいかと考えました。拙者の日常は明かりが無く、お酒と言う強い光を飲んだ時にわずかに見え然しつかめない様はよく似ています。

ソファーを離れ北側のこのPCが置いてある部屋はやや温度を失い、グラスの中に注いだ光が失われるまでは暖かさを感じられます。失くしたらまた注げばいいのです。

 

二の腕や肩や鼠径部近くは乾燥により肌荒れのできものが、手の甲から肘までは小さな火傷の跡が点々と汚らしく覆う自分の肌ですが、指と爪だけはまだ綺麗です。自分自身で認められる本当に唯一の部品です。時々失わせて諦めたくなります。

 

今朝は、昔に殺した友人と再会しました。

たった一言だけ会話をして、その内容が思い出せず悲しいのですが、また会えて会話ができた事が本当に嬉しかったです。段数の多い冷たい石段でお互い座り、空は灰暗く曇っていました。目がさめなければもっと話せたのが惜しい限りです。向こうも笑っていてくれたので救われた気分です。

 

ねじを巻いた腕時計のせわしなく動くぜんまいを見ていたら時間が経っていました。今日は良い日であったと言えます。

 

おわり。


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