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記憶の無くなる話。

部屋にカーテンが無いと外の明かりに侵食される。

 

ささやかな生活、つつましやかな生き物、地を這う人間性

唇にリップクリームを塗りたくり、肩回りや胴体わきに保湿剤を塗りたくり、死に生を塗りたくり、自分はいつ死んでしまったのかを酒を飲んでいる間に思い出し、酒が抜けると色彩が失われます。

少し寒い部屋で、猫に引っかかれた人差し指のむけた皮膚がキーボードに引っかかります。痛みにも及ばぬ痛みと、少し触る皮膚が生きている事を訴えてくる。

暖かな部屋がある。

 

おわり。


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