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幼い頃葬式で初対面の男の子とビールの王冠を集めた話。

サイゼリヤで必ずミラノ風ドリアを頼むがその他の主食も頼むのでお腹が限界を超えて行く。

 

自分が小学生くらいの頃でしょうか。おじいさんが亡くなってお葬式がありました。自分にとっては初めての葬式でした。

なんだかみんな黒い服を着て自分も小学校の制服を着せられてみんなしんみりした空気を醸し出していて、不思議な雰囲気を感じました。

 

お清めの席と言うのでしょうか、親戚が集まって食べたり飲んだりする席で、男の子がいました。

自分よりもさらに年下らしい、今まで見たこともない男の子でした。

自分らの他に幼い子供はいなかったもので、すぐに仲良くなり、どういういきさつかは忘れましたがビールの王冠を集めることになりました。お酒を飲んでいる大人のそばに寄ってビールをついで王冠をかっぱらって集めることを繰り返し、2人で袋いっぱいになるまで集めました。

葬式の席なのに楽しかったのを覚えています。

自分自身はおじいさんが死んでしまって悲しくて泣いた記憶もあるのですが、王冠を集めているときは楽しかったです。

 

しかしお清めの席は終わってしまい、お互い帰る時間がやってきます。

たくさん集めた王冠は2人で山分けにした記憶があります。

 

持ち帰って何日かは大事にとっておいたり時々とりだして眺めたりしていましたが、いつの間にか親に捨てられてしまったのか自分で捨ててしまったのか、どこかへ失くしてしまいました。

失くしたことを知った時はとても悲しくなりましたが、それもいつの間にか忘れてしまいました。

 

その当時から今現在まで結局その少年と会うことは1度もなく、失われた王冠の行方も思い出せません。

 

然して、ビールの王冠と言うのモノはどうしてあんなにも捨てにくいものなのでしょうか。

未だに瓶ビールを飲んだ時に王冠は何日かテーブルに置きっぱなしにしてしまいます。その後捨てる時にもどこか後ろめたさを感じながら、何かに再利用できないかと考えながらも捨ててしまいます。

 

王冠と言う名前からしてゴミではない気がしますし、今も昔も何か価値があるように感じられるのでした。

 

おわり。


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