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家の玄関前のツバメの巣が落ちて人間性を失いそうになった話。

ナスの微妙にまぬけな形と言葉の語感が好き(下図1.)。

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図1.

 

少し前に、自分の住んでるアパートの玄関前に燕が巣をつくりました。

ぴーちくぱーちく言いながら飛び回っていてかわいいなあワハハと毎日ぼんやり眺めておりましたが、一昨日の朝に5羽の雛とともに巣が落下していました。

雛の重さに耐えられなかったのか暴れたのか知りませんが、土や泥で固められた巣はばらばらに砕けており、やわらかそうで一目で未熟と解る小さい雛たちが離れ離れに点々と落ちていました。4匹は動いておらず1匹は微妙にぴくぴくしていました。

仕事に行くためにだるい体を何とか動かしながら朝玄関を開けたら正しく惨状です。だるい体が鉛のようになりました。しかもその後道路にぺったんこになった猫の死骸まで待ち構えていて、鉛のような体はいよいよひからびたどぶ川のようになりついでに心も砂場の水たまりのようにむなしくなりました。

…。

時間もあまりなかったので玄関前の燕の雛sは心苦しくも見なかったことにして写真を撮り、自分は仕事に向かいました。野生動物の生まれたての雛なんか半日も放置すれば死に等しくなると知りながらも、「これも弱肉強食なのですかねえ」とかぼんやり考えていました。仕事の休み時間に動物の死骸は市役所とかに連絡すれば片付けてくれるのかなあとぼちぼちぐぐり、環境課とか道路関係のとこに電話すればよさそうだと解りました。

仕事が終わり帰宅するまでの間、「カラスに食われて階段が血まみれになっているのではないか」とか「隣人が血のアート材料に使って壁に血文字が描かれていないだろうか」とか、とりあえずどんな凄惨な光景が広がっていようと耐えるために最悪の想像をしていました。

幸運かどうかは知りませんが、帰ると朝と同じ巣の残骸と雛sが散らかっているだけの何も変わらない惨状があるだけでした。朝動いていた1匹も場所をほとんど変えず動かなくなっていました。

その時間には市役所も閉まっていたので、自分は明日の朝にでも電話して片付けてもらおうかなあと思いながら鍵を開けて家に入りました。

そしてシャワーを浴びたり飯を食ったりお酒を飲んだりしてのんびりしていると、何やら外からごそごそと音が聞こえてきました。

玄関ドアの魚眼レンズから外を覗くと、向かいの部屋の住人、若いチャラそうなあんちゃんがしゃがんで何やらやっていました。そのあんちゃんの部屋の前にはほうきとちりとりが普段から立てかけられていたので、流石に気持ち悪いから掃除でもしてるのかなあと思って、手伝おうか迷いながらも自分はまた見なかったことにしてお酒を飲んで眠りました。

そして翌日。

普段よりも数倍やる気のない顔で玄関扉を開けると、そこは綺麗になっていました。

確かに昨日散らかっていた巣や雛sは無くなっていましたが、代わりに段ボールが敷かれていました。よく理解できないまま上を見ると、カップ麺の容器を改造して作ったらしき巣が、ガムテープで天井にとめられていました。

…。

まず自分が思ったのは、「ごめんなさい」でした。

昨日手伝わなくてごめんなさい、死体を処理しているのかと思ってごめんなさい、救えるかもしれなかった命を見捨てた気分でごめんなさい、とりあえず色々な事に申し訳なく、どうしようもなく自分がみじめで愚かな人間であると再確認しました。

確かに昨日、動物の死骸処理の他に「ツバメの巣 落ちた」とかで検索して巣の修復の仕方にカップ麺の容器を使ったりする方法もあるとか見ましたが。もうほとんど雛も死んでると思って諦めていたのですが。…言葉に表せない気持ちでした。

 

そんなカスみたいな精神状態でクズみたいに体を動かし、ゴミのように仕事をして帰宅してカスでした。

わかりきっていたつもりでしたが、やはり自分はどうしようもなく、カスでした。

 

今日も見た限り雛sは生きているのかどうかわかりませんが、その手作りのカップラーメン改造巣は、人の優しさとか情とかを体現しているかのように綺麗なモノに見えました。自分には目が潰れるほど眩しく思います。

 

しかし自分がどれだけ終わっていようが、お酒は変わらず美味しく有ってくれるので、ステキです。

 

おわり。

死期を悟って退場するヘッドホンの話。

10年以上愛用していたヘッドホンがたった今逝った…。

 

突然ノイズが走り右耳側が聞こえなくなりました。左側は聞こえますがこれでは…。

昔乗った飛行機の座席に無料で持ってってええでって書いてあったから貰ってきた思い出のヘッドホン…。

確か親戚の結婚式に行く時乗った飛行機だった気がします。かすかな記憶ですが、バイキングでピラフかなんかを床に落としたら鳥が食べに来るのが面白くて、わざとぽろぽろ落として店の人に注意されたような。

無料のヘッドホンなので音質は言うまでもなくお察しですが、それでも壊れてしまうと悲しいものです。

 

しかしPCに続いてヘッドホンも…。どちらもかろうじて生きていますが風前の灯火です。

ちょうど買い替えようとしている時にこうなるとは、まるで己の最期を知り寿命を全うするもののふかの様です。立派です。欲を言えばもう2週間生きていてほしかったですが。

 

悲しみのあまり書きたい事を忘れてしまいました。多分。

 

おわり。

駄菓子屋には楽しかった記憶しかない話。

髪の毛が短いと洗うのめっちゃ楽だし乾かすのもめっちゃ楽。

 

駄菓子屋っぽい曲を聴いていたら昔の事が頭にじわじわとしみだしてきました。

 

小学生の頃はよく駄菓子屋さんに行っていました。

休みの日とかに友達と駄菓子屋に集合して何か買って遊びに行っていたり…アッアァッッアァ!!!!!

…。

兄に連れられて行ったり、父親に車でどこかに連れて行ってもらった帰りに寄らせてもらったり…イイイィィィアアアアアア!!!!!!!!!!!!オアァ!!!!!!あああああああああ!!!!!!!

 

…。

いくら心を破壊して石にぶつけようがコンクリートにすりつぶそうがあの頃に戻ることはできません。ただ楽しく、幸せだったという綺麗な記憶として大事にしまっておく他ありません。夢の中でいつか辿り着けるように祈り続けましょう。

なんで今は駄菓子屋に行かなくなったのか、行けなくなってしまったのか。

友達と集まって楽しく駄菓子屋で過ごせなくなることを〈大人になる〉と言うのなら、大人になんかなりたくない。大人いらないやめるから子供を返して。

 

…。

 

駄菓子屋ではスーパーボールのくじときなこ棒が1番好きでした。

スーパーボールくじは確か2等を当てた記憶があります。青くて大きくてとても嬉しかったのを覚えています。いつの間にか捨てられたのか捨てたのか失くしたのかもうどこかへ行ってしまいましたが。

きなこ棒は、刺してあるつまようじの先端に赤いしるしがあれば当たりでもう1本もらえる仕組みで、3回か4回くらい連続で当たりが出て自分は神に選ばれた存在だと思った記憶があります。今思えばあれはパチンコで連チャンして脳みそギモヂイイ状態と同じ物質が出ていました。

 

地元の駄菓子屋はまだ営業しているのでしょうか。いつも店にいたやる気のなさそうなばあちゃんは元気でしょうか。駄菓子屋のばあちゃんって何百年も同じ姿で店にいそうな気がするのできっと大丈夫でしょう。

 

過去に戻りたい。もう時間を進めたくない…。

 

おわり。


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